小鳥

裏の家の人は、庭の手入れを一切していない。だから若葉の清々しいこの季節になると枝がぐんぐんと伸びてきて、二階の窓からも見えるくらいに育ってしまう。そのおかげで、私の家は山の中でも、森の中でもないのに、沢山の鳥の声がする。

今日小鳥が本当にすぐそばまで来て、遊びながらチュンチュン鳴いて近寄ってきた。
警戒心はゼロだった。
人は心が解かれていると植物や動物に近くなれるのかもしれない。
毎日森の中で生活していなくても、ストレスから無縁で調和がとれていれば穏やかでいられるし、自分を包む気配も変わってくるのかもしれない。

日常ではなかなかそうもいかない。
思うようにならないことが沢山だし、世界は不調和なことの方が多いから。
それでも、こうやって暮らしの中でひとときの調和を感じられることは、調和のある人生の一部なのかもしれない。