宇宙の愛で

昼間に照りつけられたアスファルトの熱が、夕方になっても地上の温度を上げているような夕暮れ。暑さに溜息が出そうになるのをこらえながら、不意に見上げた空に、白くはっきりと美しい半月を見つけた。
空を見上げたのは久しぶりだったので、思いもかけず美しいものに出会えたことが嬉しくて少し眺めていたら、遠くから飛行機が月へ向けて飛んでくる。ちょうど太陽の光が飛行機を照らし出して、キラキラ白く輝いている。月を輝かす光と同じ太陽の光が、頭上の飛行機を照らしている。当たり前の事実だけど、それがとても神秘的なことのように思えたりもする。自分がいる場所と、飛行機、月、太陽が光によって一つに繋がっているように思えたからだ。

先日、自分の魂を知るために、とても貴重な時間を持つことができた。
以前と同じ時間を生きてはいても、世界を見つめる目線が一変した。自分を知れば知るほど、人生は生きやすくなる。本当の自分自身とは、宇宙の一部と同じなのだとわかるようになるからだ。
大きな宇宙に抱かれて、あたたかな愛に包まれ続けて、私は宇宙の温泉に浸かっているような安心した気持になっている。
愛に対する概念や、大きさがすっかり変わってしまった。宇宙と一緒に人生を創造していると、愛は本当に大きいのだとわかる。そして人間はもちろんのこと、植物や動物も、より身近に思えてくる。自分というユニークな人生をめいいっぱい幸せに生きることで、宇宙にその波動が波紋のように広がっていくのだと思うと、人生がより愛おしくなる。

今日、自分のためにと本屋さんで手にした一冊は、西畠清順さんの「教えてくれたのは、植物でした」という本。植物と共に生きてきた人の言葉は、気負うことなく等身大で、心にすーっと届いてくる。今を一歩一歩切り開いて、自らの足で歩き生きていることが伝わってくる。そして何より魂に響くのは、人生を全身で愛する人の言葉だからだと思う。