ぬくもりと作品と。

ぬくもりについて

シャムアの店主松橋さんとお話する中で、仕事の指針となるものがすごく近いことを知りました。「自分がやっていて楽しいだけじゃなくて、お店にくる方が心から楽しんだり、嬉しい気持になることを大事にしています。来て下さる方の人生に寄り添う店でありたい」と教えてもらい、なぜシャムアが沢山の方に愛され続けているのかがよくわかりました。そしてなぜ自分がそこに足を運んでいたのかも。商品が素敵で、珈琲が美味しいからというだけではなくて、人と人との時間の中に温かさや、ぬくもりが感じられるお店だからだと思います。

私が作品を作り始めたとき、「一人だけの世界で完結しない作品制作をしたい」と思い続けていました。自己満足だけで終わってしまわないこと。表現する世界を受け取ってくれる人がいて、初めて仕事になるのだと思ったのです。それは今もずっと変わらなくて、自分が出来ることを通して、ささやかでも風通しのいい心や愛の循環があるようにといつも願っています。

「もの」が美しく良いものであれば、そういう付加価値はいらない。という人もいます。それはそれで、とても素晴らしいことだけれど、そこには循環はなく、その世界の中で完結する美しさなのだろうなと思います。ぬくもりがある作品や空間は、不思議なことにそこに人間の気配を感じ、新しい何かが生まれたり、心のやりとりが生まれていくのです。それがとても楽しいなと思います。

作品に言葉や詩を添えたりするのは、きっとそういう気持からなのだと思います。
わかりやすい形で、やわらかなぬくもりを作品に添えていたいのだと思います。
そしてそれを楽しんでもらえるのが、自分にとって一番嬉しいのだと思います。
私にはそれだけ、伝えたい言葉が沢山あるということなのかもしれません。