やさしい内ポケット

その内ポケットは、持て余した気持をそっと入れる場所。
誰かの一言が気になって困ったり、自分でやってしまった事がやるせなくなったり、他人にはどうでも良いような事でも、本人にとっては心がざわめいて仕方がないことがあります。そんなとき、どこかにそれを入れて、良い悪いとジャッジせずに、そっと漂わせてみる事が必要になります。心の中に空間があればいいのですが、その場所が作れないことが時にはあるものです。私は仕方なく、自分の鞄の内ポケットにそれを入れる事にしました。すると、薄っぺらなはずの内ポケットは、私の持て余していたものをストンと宇宙に放ってしまいました。おそらく溜め込むことが好きではない内ポケットだったのでしょう。やり場のなかった気持が、大らかな宇宙に漂い、居場所を見つけたようでした。そのおかげで私の心は少し軽くなり、さらに空間まで出来たようでした。

大地を整えるサイクル

植物を育てたり、大地や風を近しく感じながら生活をしていると、自然のサイクルの中には破壊と再生のサイクルがあることを痛感します。全ては一つに留まることはなく、大きく循環しています。大地が荒れたり、栄養がなくなってきてしまうと、そこでは植物はもう生きていく事が出来なくなります。荒れた土地をもう一度耕して、肥沃にするために手をかけていくことが必要なのです。

この一年ほど、自分の体や大事な人の体をもっと大切にしたいと思うことが沢山ありました。そんな時間の中で、「大地を整えるような時間」が自分の人生に訪れたのだと思うようになりました。今まで見ないフリをして必死で走り抜けてしまったゆえに荒れてしまったものを、もう一度大事に耕していくような時間。がむしゃらで無心に、必死で生きてきたからこそ、そうなってしまったのでしょうから、大切な人を抱きしめるのと同じように、自らの人生の大地を大きく抱きしめて、じっくりと耕していくつもりです。

どんな仕事をしていても、自分自身が整っていれば、周りの場もとても気持の良いものになります。家族との時間も同じだと思います。そこに気が付くために、少し体を思いやり、休息をとるタイミングが来ていたのだと思います。そして、気が付けてよかったとも思うのです。

キルシュの物語

愛する事しかできない鳥、キルシュの物語。それは数年前に私が書いた物語ですが、今改めて何度も何度も言葉を読み返しています。人と違うことを大事にして生きることは、とても勇気がいります。作品を作り続けていくことが、そんなに大事なことなのだろうか?と思うこともあります。何も成さなくても、充分に生きているのですから。それでも、突き動かされるように作りたいと思える事は本当に不思議な事で、それこそが続ける原動力となる「静かな情熱」なのだと思います。もう一度、昔の人たちの手仕事のように、ただただ身近な人のためにより良いものをと手を動かし出来上がる愛のある仕事に返ろうと思います。キルシュの物語は、それを思い出させてくれます。読む人によって、受け取り方は様々だと思いますが、言葉が多くの人に届けばいいなと思っています。まずはもう一度、自分自身に言葉を染み込ませ生きていようと思います。

キルシュの物語のカードは、オンラインショップで手に入れる事ができます。

「太陽の踊り」

大らかに微笑む太陽の手刺繍。布一面に光が広がっているような手刺繍のタペストリー作品をオンラインショップにアップしました。

飾るお部屋はもちろんのことですが、家中に暖かさが満ちてくるような作品になっています。暮らしを見つめる温かな光となりますように。

“When we open the book,she apears.”

“When we open the book,she apears.” -その本を開くとき、彼女は現れる

7月に開催されるグループ展の作品が完成したので、郵送準備。

「ジョセフ・コーネルへのオマージュ展」という国際公募展です。コーネルファンのライブラリーカフェCORENOZと詩人の小野原さん主宰「百窓文庫」が企画したコラージュボックスのグループ展。とても素敵な作品が並ぶかと思うので、今から楽しみです。近くなったらまたお知らせします。

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