一粒の星と千年の炎

一粒の星をそっと手のひらに包んだ。
それはずっと昔、一度つかみかけたものでもあり、もう忘れそうになっていた情熱の欠片でもあった。

 

「私たちの体を作るすべての要素は、星屑で出来ている」
私が大好きなお店の店主で、煌めく人は、その言葉をとても大切にしていた。
宇宙にある原素と私たちの体は同じもので出来ている。私たちを分け隔てるものは、本当は何もないのかもしれない。たとえ現世に肉体が存在しなくなったとしても、広大な宇宙の中で、時空を超えて星の欠片となり存在し続けていく。
宇宙の星がその一生を終え燃え尽きるとき、大きな爆発が起こる。一つの星は一度消滅して、その星の欠片が宇宙へ広がって、新しく煌めく命となる。小さな欠片は力を秘めた一つの生命。

 

手のひらの一粒の星は、静かな情熱を宿している。
私は不意に、千年以上燃え続ける炎を思い出した。
あの燃え続けている炎のような、しんと心を打つ炎。
そんな情熱が、私の手のひらに、ふわりと戻った。
一粒の星を、今はただ信じている。