Parisのツバメ

大好きなお店が昨年20周年だったことを、つい最近知った。
北堀江のシャムアさん。
カフェとフランスアンティークの食器や生活雑貨のお店で、店主の松橋さんは北堀江のマリア様と言われているほどに素敵な方。お店の中は松橋さんの買い付けてきた素敵なもので溢れている。可愛い雰囲気だけど、可愛いだけではなくて、その中に歴史と思いがしっかりと見えるお店。
数年前に上階の屋根裏のようなお部屋をギャラリーにして、色々な作家さんを紹介してくれている。

長くお付き合いさせてもらっているけれど、昨年はなかなかお店に伺えなくて記念のタイミングをお祝いすることが出来なかったことがとても残念だった。
今年は時間が沢山できたこともあり、ちょくちょく顔を出させてもらっていたので、12月に開催される手仕事展に参加させてもらうことになった。
せっかくだから、シャムアの大事なモチーフを刺繍したいなと思い、お聞きしたところ、ツバメが大好きだということだった。よく見るとお店のいたるところにツバメモチーフがあって、その中から一つだけ選び、その形を刺繍の図案にさせてもらった。

ツバメはオスカー・ワイルドの「幸福な王子」で愛の鳥だったし、ヨーロッパのアンティークジュエリーなどのモチーフとして好まれていた。幸せや平安のシンボルになっている。

いつもならブローチはレザーで裏張りしてすっきりとしたものを作るけれど、今回はシャムアの柔らかなイメージにしたくて、少しふんわりと優しい触り心地のブローチ。

松橋さんは、私の手仕事をずっと見守って応援し続けて下さる人。
活動がうまくいっている時も、そうでない時も、変わらず応援し続けて下さって、本当に心が救われていた。うまいっている時というのは、周りに人が沢山集まってくるけれど、そうでない時にもそばにいて下さる人は、本当に大切にしたいと思う。

私も今年で17年目。松橋さんのシャムアのように、素敵な歴史を紡いで20年を感謝できるように、一つ一つ大事に作り、やわらかな愛の循環を続けていきたいと思う。