1本の道を歩きながら

ただ毎日コツコツと一針を重ねて
何もなかったところに小さな形が生まれていく

どんなに華やかに見える世界でも、日々の仕事というものは
本当に地道なことの積み重ねなのだと、最近つくづくそう思う。
自分の道を歩き始めた瞬間から、その地道さに気が付く。
アーティストが毎日個展を開いている訳ではなく、
一人で黙々と作品を作っている時間のほうが長いのだ。
まず手を動かす。そして試行錯誤の繰り返し。
地道な作業を嫌いにならずに続けられる力や、良い作品が生まれない時にも
めげずに踏ん張れる力が一番の才能なのではないかと、私は常々思っている。
だから一つの道をコツコツ一生続けられる職人さんやアーティストを、
私は本当に尊敬している。

石の上にも30年。私の師匠が言っていた言葉。
30年がんばって、ようやくその世界に近づけるのかもしれない。
そのために、今できることをコツコツ。
一針を重ねられる喜びに感謝しながら、コツコツと。