実りがもたらした調和

ある人がSNSでふと零した言葉が、とても素直で正直で、なんだか良いなと思った。
その言葉は、少し落ち込んで思わずこぼれた弱音だったけれど、正直で、言葉になんの違和感もなく、すっとこころに届いてきた。
魂で生きる人は強くて弱い。弱くても強い。
ありのままで真摯に生きようとする姿が、その言葉には自然な形で現れていて、
だから弱音だとしても、素敵な言葉だと感じた。
こころに優しく響く体験だった。

 

台風のおかげで久しぶりに終日作品を作る時間が持てた。
作るリズムのようなものが甦ってきて、「そうそう、こういうリズムだった」と
やっと自分に戻れたような安堵感を感じ嬉しくなった。
以前は鞄のデザインを表現の手段にしていたけれど、
今は糸で線を描くことだけで充分のように感じている。
そしてとても充実している。
手縫いで美しく線を描き続けることは、意外に難しい。
集中力が切れた途端に、ひょろっとおかしな線になる(笑)

小さなハートのオーナメントも少しずつ仕上がって、保管の為に並べて吊るしている。
何だかそれは林檎の様な実が、たわわに実っているようで、
見るとつい微笑んでしまう。
(ハートと林檎は似ているのだろうか?)

作品制作の時間を取り戻せたことで、自分に調和が生まれたからか、
「すでに手の中にあったもの」がよく見えるようになった。
自分を必要以上に飾り立てなくても、もう充分なのだと思った。
これ以上他の何かを加えようとしなくても充分。
作ることは、すでに私の一部だった。
私は自分以外の、一体何を目指してあんなに必死だったのだろう、、、(笑)。