一粒の種という名の鞄

「一粒の種」という名のオーダーメイド鞄

小さな一粒の種が大地にぽとんと落ちて、芽を出し、葉を伸ばしていく。雨は大地に染み込んで、根っこまで栄養を届けてくれる。蕾が膨らみ、花を咲かせ、小さく実りをつける。そして、またぽとんと大地に落ちる。循環する大らかで美しい時間を一つの鞄に刺繍しました。この鞄のオーダーを頂いた時、まだ大きさも決まっていなかったのですが、お客様の女性的な雰囲気や今描きたい風景が一つとなって、とても自然に鞄のデザイン画を描いていました。打ち合わせで細かな部分の相談しながら、諸々のことはお任せいただき、最初に浮かんだイメージのままの鞄が仕上がりました。伸び伸びと優しい生命力が宿り、軽やかな中に力を秘めた風景が見えました。一粒の種の中には、未来の生命力が秘められています。小さな芽が大きな木へと成長していく、その全ての可能性が一粒に含まれているのです。

鞄は人生を共にし、側にいてくれる存在です。オーダーメイドの鞄は、豊かな時間を過ごすお守りのようになればいいなと思いながら作っています。そして、ほぼお任せのオーダーをいただけることは、本当にありがたく豊かなことだと感謝の気持ちでいっぱいになります。いつもありがとうございます。