昨日は星ヶ丘で開催された小さなお茶会のお手伝いをしました。会場の和室を池に見立てるとのことで、何かできないかとお話をいただいて、じっくり考えて生まれた「水草紅葉」です。着物の生地などを使って、秋に色付く水草をたくさん縫いました。お盆を乗せた舟が行ったり来たりして水草を揺らしながらお茶を運びます。ソーシャルディスタンスを優しく逆手にとって考えられた素敵な舟点前でした。池の名は「ほほえみの池」。ささやかに集える喜びで、ふっとほほえみが溢れるような時間になるよう祈って作りました。
主催者の女性はとても求心力のある方で、静かにぽつりぽつりとお話されるのですが、何故か周りの人は巻き込まれて(良い意味で)、お手伝いすることになるという感じで、この日のために舟模様の器が沢山焼かれたり、周りの人のあたたかいサポートを沢山受けてお茶席が生まれるのを見ていて、受け取る力の大きな人だなあと感心してしまいました。その姿を見せたもらったことは、私にとって大きな学びでした。受け取ることで豊かな時間を作り出し、その時間を多くの人と共有してお返しする。とても素敵な循環を体験させていただきました。
まだまだイベントを開催する際は色々と試行錯誤ですが、小さな形でもささやかに奥行きの深い時間を作れることを知りました。今までの考え方だと、どうしても沢山の人に来てもらうことが前提としてありましたが、これからの時間は、奥行きの深い時間が共有できるようにできたら良いなと思います。10月末の作品展は、そんな空間にしたいなあ。