祝福の光に包まれた鞄

美しいと感じるものを表現するとき、どんな言葉がぴったりなのだろうかと日々思っています。その時々、それぞれの「美しいもの」に相応しい言葉は何だろうと。

今日仕上がったアンティークリネンの鞄の佇まいも本当に美しい。19世紀後期のホームスパンのリネンは、私の手元に届いたこと自体が奇跡のように思えるから、布の風合いを生かして大切に仕立て上げた作品。そこにはリネンを織り上げた人達の紡いだ長い時間と愛があり、私は心から大切に受け継ぎました。やわらかく光を放ち、素朴な存在感は静かに美しい。夕暮れのまだ暖かい太陽の光がふっと射し込み、祝福されているように輝いています。時空を超えて古の人から受け継いで仕事ができるなんて、本当に尊いことだと思います。この道で間違いないと改めて思える時間でした。